保母さんという職業は、保育園や児童施設などで、乳児から小学校就学(0~6歳)までの保育を行います。しかし、近年では “保母さん”という言葉から、“保育士”という言葉に変わるようになりました。男性の保育士が増えたことに大きく影響しています。保母さん(保育士)になるためには、保母資格が必要です。しかし、1999年の児童福祉法改正により、
男性の保育士が増えたことにより、保母資格を保有する男性が増えました。保母資格の“母”という文字を含むことにより、女性を連想させる名前に疑問や違和感を感じるようになりました。法改正や男女雇用機会均等法により“保母資格”から“保育士資格”に変更したのがきっかけで、“保母さん”から“保育士”という呼び名に変わりました。
同じ保育士といえども、男性と女性では役割りや得意分野は異なります。
男性保育士のメリットとデメリットについてご紹介します。メリットとして大きいのは、やはり体力です。男性保育士は女性保育士と違って外で鬼ごっこをして遊びまわったり、ボール遊びをしたりなど体力が必要な遊びを子どもたちと行い、良い刺激を与えます。
同時に、女性保育士の働き方にも影響するでしょう。女性保育士の負担を男性保育士が軽減することで、快適な働き方につながります。
遊びだけでなく運動会や遊び盛りの年長児の相手など、男性保育士は率先して行います。また、父親的な役割りも担います。子どもたちの中にはシングルマザーの子もいます。父親的な存在で、子どもたちに育ちの良い影響を与えることでしょう。
男性保育士のメリットは子どもたちに対してだけではありません。保育園という環境は女性職員が多いため、不審者から狙われる環境でもあります。男性がいるだけで近寄りがたいなど、防犯対策にもなるでしょう。また、男児のトイレ掃除など園内では女性が入りづらい場所もあるため、やはり男性の役割りは大きいようです。
逆にデメリットは、“保育士”という名前に変わっても、「保育=女性」というイメージはあるようです。男性としての社会的な活躍という観点では、差別されやすい職場環境かもしれません。また、男性保育士が苦手としているピアノや歌などは、女性保育士の力を借りる必要があるでしょう。年少の女の子はそもそも男性を苦手とする子も多く、デメリットに働く傾向があります。
一般社会において、女性のみの環境というのは異例です。保育園の環境でも、女性保育士のみの環境は子どもたちにとっても普通ではない世界です。男性保育士がいることで、ごく普通の環境を生み出すことが出来ます。女の先生だけでなく、男の先生とも「一緒に御飯を食べる」「一緒に外で遊ぶ」「一緒に笑う」「怒られる」など、子どもたちにとっては良い刺激になるでしょう。同じ保育士でも男性と女性では、声や体つき、行動や仕草などは大きく異なります。子どもたちは接するもの全てが新鮮に映るため、そういったところも子どもはよく見ています。
また、国税調査においては、1995年の調査で保育士の総数は305,090人に対して男性保育士は全国で2,515人と、全体の割合は0.8%でした。そこから、2010年の調査で保育士の総数は481,500人に対して男性保育士は全国で12,100人と全体に対しての割合が2.5%と増加しました。年々、男性保育士が増えることで、保育園側も男性の必要性を感じるようになりました。女性しかいない職場というのは、いじめが存在します。女性の中には、異性がいないと同僚に対して嫌がらせをするひともいるようです。男性がいるだけでいじめが減る傾向があるようです。
職場環境の改善だけでなく保育について取り組み方についても変わりつつあります。男女の意見は異なることが多いのと同じように、保育においても女性視点だけでなく男性視点を取り入れて、保育の質を上げることも子どもにとっては大切なことです。