生まれてから小学校に入るまでの成長が著しい時期の子ども達に、毎日身近な場所でさまざまな変化を見ることができる保育士は、毎日子どもと一緒に遊び、笑い、楽しむことができる職業です。
保育士として働く場所にはいろいろありますが、ここでは企業内保育所で働く保育士の仕事内容などについてご紹介します。
保育所や児童館、乳児院、助産施設など保育士が活躍できる職場にはさまざまなところがありますが、数ある職場のひとつに「企業内保育所」があります。企業内保育所とは、企業に勤める従業員が仕事をしている間、わが子を専門のスタッフに預けることができる施設です。ただし、企業内保育所は企業が独自に運営してはいるものの従業員の子どもだけではなく、近隣に住む家庭も利用することができることもありますし、ほかの企業と共同で設置や運営を行い、企業内で利用対象者の幅を広げているところもあります。このため、保育所は必ず企業の中にあるわけではなく、運営スタイルに合わせて送迎が便利なように企業がある近隣に設置されていることもあります。共働き世帯が増加しているなか、企業内保育所があることで両親共に安心して仕事を続けることが可能となっています。
同じ保育所という職場でも企業内保育所で働く保育士には、企業内ならではの特徴があります。それが雇用の形態です。企業内保育所の保育士は多くの場合、保育所のスタッフとしてではなく、企業の従業員として雇用されます。このため、企業内保育所の保育士は保育所が設けられている企業の規定に基づいて雇用され、給与制度や有給制度、福利厚生などをほかの従業員と同じ内容で受けることができるのです。ただし、なかには企業が直接運営しているのではなく、外部委託により保育所が営まれているケースもありますので、その場合には委託会社ごとの雇用規定に従うことになります。
企業内保育所の保育士の仕事は、基本的には一般の保育所と同様です。保護者と共に登園してきた子ども達の世話をしながら、感受性を育て考える力を伸ばす教育をします。お昼寝や食事、おやつなどの時間を子ども達と過ごし、その日の様子を連絡帳に書いて保護者へと伝えます。一般の保育所と比べて、企業内保育所は規模が小さいことが多いため、1人の保育士が担当する子どもの数も少ないことがほとんどです。そのため、ひとりひとりと接する時間に余裕を持つことができたり、細かいところにまで目を配れたりできますから、心にゆとりを持ちながら保育業務を行える環境であるところが多いでしょう。
保育所に通う子ども達は従業員の子どもが多いため、企業が休みの日は保育所も休みとなることが多いです。各企業の休日規定にもよりますが、一般企業では土日祝日が休日となることが多いため、企業内保育所で働く保育士の休みも土日祝日になります。企業内保育所のなかには、一般の保育所が行う季節ごとのイベントなどを行わないところもあります。このような保育所の場合、イベントの準備などによる残業や休日出勤が発生しにくい点もメリットのひとつになるのではないでしょうか。また、企業によっては福利厚生制度が充実していたり、賞与などもほかの従業員と同様に支給されたりするという点も魅力のひとつでしょう。
企業内保育所で働くためには、一般求人広告ではなく、保育業界に特化した求人情報を取り扱う専門エージェントの利用が有効です。企業内保育所のメリットである雇用の好条件は運営する企業規模の大きさや、運営スタイルのあり方などで左右されますが、雇用条件が良い企業は信頼のおけるエージェントに求人募集依頼をすることが多いようです。ただし、就業条件によっては競争倍率が高いことが多いので、企業内保育所の求人情報を常にチェックをして、タイミングを逃さないようにしておくと良いでしょう。
企業内保育所の保育士という仕事は、保育士という職業のなかでも人気のある労働場所のひとつですので、求人情報を日々チェックすることから就職・転職を考えてみてはいかがでしょうか。