泣いている子供を泣き止ませるということは、簡単なようで難しく経験があったとしても時には困ることも多いものです。しかし、小さい子どもと接する保育士にとっては身に付けておきたいテクニックのひとつではではないでしょうか。ここでは、年齢別に子供が泣く理由からあやし方をご紹介します。
「赤ちゃんは泣くことが仕事」と表現されることがありますが、何か不快なことがあると泣いて伝えようとするのが0歳児です。ですから、この時期の赤ちゃんが泣いた場合には、赤ちゃんを不快にさせている原因を探ることが大切になります。もっとも多いのが、空腹でしょう。ほかにもおむつが汚れている、眠いということもありますし、気温に合った衣服でないときには暑い、寒いということもあるでしょう。そして、自分の要求が満たされるとすぐに泣き止むということも0歳児の特徴です。なかなか泣き止まないときには、発熱や痛み、かゆみなどによって泣いているケースもありますので、注意を払うようにしましょう。
1歳児になると、こちらが発する言葉を理解できるようになるためコミュニケーションが取りやすくなります。とはいってもまだ1歳児ですから、上手くいかないことや思い通りにならないことがあるとすぐに泣き出すことも多いです。ほかにも疲れたときや眠いというときには、機嫌が悪くなりぐずり始めることも多くあります。
この時期の子どものあやし方は、「こうしたかったのね」「あれが欲しかったのね」と子供の気持ちに同調して抱きしめるなどスキンシップをとることで、気持ちを落ち着かせることが多くあります。しかし、必ずしも泣いている理由が明確にわかるとは限りません。そういった場合には、別のオモチャや歌を歌う、見える景色を変えるなど、その子どもが興味の示しそうな別のことに意識を向けてあげると良いでしょう。
何でも自分でやりたがるのが2歳児です。大人がうっかり手を貸そうものなら、大泣きにつながることもあります。しかし、自分でやりたいけれど上手にできないという時期ですので、そっと見守ってあげることが大切です。全てに手を貸してしまえば子どもは満足しませんし、かといって最後まで子どもだけでするのは難しいですから、子どもの苛立ちが見え始めたら「ここまで上手にできたね」と褒めながら少しだけ手伝ってあげましょう。あくまでも自分でできたという、子供の満足感につなげることがポイントです。また、自分の好みもはっきりと出てくる年齢でもあるので、嫌なものには嫌だと自己主張もするようになります。危ないことや間違っていることはきちんと教えてあげなくてはなりませんが、子どもにできるだけ付き合ってあげるのもひとつの方法です。
自分中心で行動していた年齢から、周りに興味を示し始める年齢へとうつるのが3~4歳です。お友達と一緒に遊ぶことで社会性が芽生えてくるのですが、その過程でトラブルが生じることも多くなってきます。しかし、言葉を使って相手に伝えるコミュニケーション能力も上達してくるので、泣いている理由を自分や周りのお友達が説明できるようになります。まずは、泣いている理由に共感し抱きしめて安心させてあげましょう。そして、解決策を提案してあげると比較的スムーズに事が運ぶことが多いでしょう。
5~6歳児にもなると、周囲の状況がしっかりと理解できるようになります。そのため、些細なことでは泣かないようになります。それでも泣いてしまったときには、その理由にきちんと耳を傾けてあげましょう。泣くという行動は気持ちを落ち着かせるひとつの方法なので、必ずしも悪いことではありません。場合によっては思いっきり泣かせてあげることで、気持ちを上手に切り替えられるようになります。
誕生してからたった6年間で、こんなにも成長するのが子どもです。もちろん子どものうちは特に個人差が大きいですから、年齢別といってもあくまでも目安としてご紹介してきました。泣いている子供をあやす時には、どうして泣いているのかその理由を探ることで、あやし方の糸口を見つけられることも多いのです。