子どもと触れ合う仕事の中でも身近で魅力的な仕事として幼稚園教諭が挙げられるのではないでしょうか。子どもの頃の楽しい思い出がきっかけとなり、幼稚園教諭を目指したいと考えている方も多いでしょう。その一方で、幼稚園教諭がどのような仕事に取り組んでいるのか具体的にイメージができない方もいるのかもしれません。ここでは幼稚園教諭になるための資格取得や進路選びをはじめ、幼稚園で求められる適性や能力、仕事のやりがいなどについて紹介します。
幼稚園は文部科学省が学校教育法に基づいて管轄をしている「学校」として位置づけられています。そのため、幼稚園教諭になるためには専門の教職課程で学ぶか、認定試験に合格しなくてはなりません。幼稚園教諭の免許として1種免許状・2種免許状・専修免許状の3種類があり、免許状は幼稚園の教員を養成する課程が設けられた学校で必要な課程を修めることで取得できます。1種免許状は4年制の大学で学んだ人に、2種免許状は短期大学や専門学校などで学んだ人に、専修免許状は大学を卒業後に大学院の修士課程で学んだ人にそれぞれ与えられる免許状です。また、保育士として3年以上の実務経験がある場合には認定試験を受けることで2種免許状を取得することが可能です。
高校を卒業して幼稚園教諭を目指したいと考えている場合には、幼稚園教諭の教職課程が設けられた学校に入学するのが確実な方法です。1種免許状と2種免許状、専修免許状のうちどの免許を取得するかについては迷う方がいるのかもしれません。現在、幼稚園に勤務している教諭の7割程度は2種免許状の取得者とされていますので、職場の仕事内容には差がつかないといえるでしょう。その一方で、免許状の種類により初任給の金額に差がついていたり、1種免許状以上の取得者を募集する幼稚園があったり、2種免許状では園長になれないなどの制約もみられます。しかし、2種免許状を取得後に実務経験を5年以上積んでから1種免許状を取得する方法もありますので、スキルアップしたくなった時に取得するという考え方もあります。大学で学ぶか短期大学や専門学校で学ぶかどうかは学費や学びたい内容などから比較して吟味すると良いでしょう。学校により特色がありますので、オープンキャンパスに足を運ぶのもおすすめです。オープンキャンパスでは体験授業や個別相談が行われるので、具体的な学びがイメージできます。
幼稚園教諭には子どもが大好きな人が向いているといえます。幼稚園では毎日子どもと触れ合うので、子どもと一緒にいるのが楽しいと感じられることがとても大切です。また、保育にはとても体力を使うので健康で体力があることも前提条件となります。さらに、幼稚園の教諭は子どものほかにも保護者への対応を行ったり、スタッフと連携して行事に取り組んだりする必要がありますので、コミュニケーション力も必要です。バスの送迎やお迎えの際に保護者に会う機会が多く、園外保育で地域の人と触れ合う機会もあるため、いつも笑顔で朗らかであることも大切といえるでしょう。また、子どもたちの気持ちに寄り添ったり共感したりできる柔軟な感性も求められます。
幼稚園に通う子供たちは成長が著しい年代です。先週できなかったことが今週になって上手にできるようになったり、泣いてばかりだった子が笑顔で遊べるようになったりと、一人ひとりが成長する姿を間近で見られるのがやりがいにつながると考えられます。また、幼稚園では定期的に運動会や発表会などの大きなイベントがあり、時間をかけて準備に取り組みます。スタッフや子どもたちと練習を重ねて無事に行事を成功させた時にも大きなやりがいや達成感があるのではないでしょうか。さらに、幼稚園で接した子どもたちと年賀状のやりとりをしたり、卒園した後に幼稚園に顔を出してくれたり、つながりを感じることができるのも楽しいひとときといえるでしょう。