小学生が放課後に通う学童保育は、利用者数が年々増加しています。学童保育の施設や教室には何人かの先生が常駐しており、子ども達と一緒に放課後の時間を過ごします。保育士として学童保育で働く方を、学童保育指導員と呼びます。ここでは、学童保育の定義や学童保育指導員の仕事内容、魅力についてご紹介します。
学童保育施設は、共働きの家庭や母子家庭、父子家庭の小学生の子ども達の、放課後の生活を守る施設です。子ども達が安心して生活できる場として定義づけられています。上記のような家庭では、子どもが小さい時には保育園に夕方遅くまで預けることができましたが、小学生になると学校活動が終わった後から保護者が帰宅するまでの間は、子どもだけで過ごす時間になってしまいます。小学生とはいえ、子ども1人を自宅で過ごさせるということは保護者にとって大きな不安があるものです。そこで放課後に学童保育に通い、学童保育指導員とほかの子ども達とともに保護者の帰りを待つのです。学童保育にはいくつかの種類があり、自治体が直接運営している公設・公営学童保育のほか、公設施設を委託して民間が運営している公設・民営学童保育、保育系の企業や塾などが運営している民設・民営学童保育などがあります。それぞれ、料金や子どもが何をして過ごすことができるのかなどのサービス内容も異なります。
学童保育指導員は、学校活動終了後の子どもを見守ることが仕事です。夏休みなどの長期の休みになると、学校での活動がないので仕事時間は1日になります。学童保育施設に通う子ども達は、放課後の時間を友達と遊んだり宿題をしたりして過ごします。安全に過ごすことができるように環境を整えて子どもを見守り、子どもの家庭環境について把握をし、保護者や子どもが悩んでいる様子があるような時には、相談にのったりアドバイスをしたりすることもあります。宿題の勉強で悩んでいれば、一緒に宿題の問題を考えることもあるでしょう。ほかにも、おやつ代の集金や発注、支払い業務、父母会行事への参加、会議の書類作成、会費の集金などの仕事もあります。学童保育指導員の1番の仕事は子ども達の安全を守ることですが、保育園や幼稚園と大きく異なるのは、子どもが小学生であるということですので、時には大きな声で叱ったりしなくてはならない場面も出てくるでしょう。
学童保育指導員という仕事の魅力は、子どもの成長を肌で感じることができるということに尽きるでしょう。子どもが毎日さまざまなことを吸収していく姿を近くで見守ることができますし、また子どもと接していることで自分も一緒に成長することができます。保護者とも子どもの成長について喜びを分かち合うようなこともあるので、非常にやりがいのある仕事だといえます。学童保育施設では夏休みや冬休みなどにお祭りなどのイベントを行うことがありますが、そういったイベント時にも子どもの成長を感じることができます。保育園や幼稚園では先生が先頭に立って準備をするのが一般的ですが、小学生にもなると子ども達からいろいろな提案が出てきますし、創意工夫をしてより良いものにしようと奮闘している子ども達の姿を見ることができます。一緒に何かを作り上げるという一体感を感じ、イベント終了後には大きな達成感を得られることが多いでしょう。
学童保育指導員はたくさんの小学生の安全を見守る仕事です。心身ともに健康な状態であるかチェックを怠らずに毎日を過ごすことももちろんですが、子ども達が安心して毎日通いたくなるような施設作りが重要になります。大変なことも確かにありますが、それ以上に毎日楽しそうに笑顔で通ってくる子ども達を見ることができる職場です。学童保育指導員という仕事は、子ども達の成長を間近で感じ、自分も成長させてもらえる素晴らしい仕事です。