日々子どもと向き合い続ける保育士という職業。
子供の頃に憧れた人も多いことでしょう。
しかし、保育士に憧れる人の中にはたくさんの不安があるようです。
「大学・短大・専門学校などの教育機関以外のルートで資格を取得することはできるのだろうか」
「子供好きな自分にとって、とても魅力的な職業だが自分のスキルで保育士になれるのだろうか」
「一度現場から離れてブランクがあっても、また保育士として働くことができるのだろうか」
今回はそういった方々の不安や悩みにお答えしていきます。
一般的に保育士を目指す場合には、大学や短大、専門学校などの中で保育士になるための教育を専門的に行う指定保育士養成施設で勉強し、卒業と同時に資格を得るのが通常です。そのため、それ以外では保育士になれないのではないかと考えがちですが、短大卒業程度の資格があれば、勉強をして保育士の国家試験を受けることができます。
例えば、普通の4年制大学を卒業してしばらくした後に保育士になろうと一念発起した場合、保育士に関する勉強をして国家試験に合格すれば、保育士になることが可能です。通信教育でも保育士になるための講座があり、国家試験を目指すカリキュラムが用意されています。
ただし、国家試験なので、それなりに難易度も高く、自分で勉強を行って試験に合格するには2年位は勉強期間を見ておくべきだと考える人もいます。仮に4年生大学を卒業してから保育士の勉強を始めると、保育士試験に合格できるのは24歳です。
通常の指定保育士養成施設を卒業した人と比べると、スタートする年齢が遅いとはいえ、実際にはその年齢の差は問題視する必要はありません。保育士の試験には年齢制限もなく、30代や40代で保育士を目指す方も多くいます。
実際に保育所などで働く時には、子供たちが遊んだり、歌ったりする際に保育士がピアノで伴奏するという場面がよくあります。保育士試験でもピアノの実技試験が存在します。必ずしも試験でピアノを選択する必要はありませんが、実際に現場に出ると、ピアノを弾く場面がたくさん出てくることは確かです。
しかし、ピアノが苦手だと保育士になれないかというと、そうではありません。現在、現役で働いている保育士の中にもピアノが苦手な人は意外と多いのです。苦手なピアノは自分に合う方法で無理なく練習をすると良いでしょう。例えば、楽譜に書いてある音譜が読めないという人は、音譜にドレミのルビが入った楽譜を使ってみましょう。童謡からポップスまでたくさんの種類のルビ入り楽譜が販売されていて、#や♭といった記号も極力使っていないものなら難易度も下がります。また、ピアノの練習用動画を参考にすれば、実際にどう指を動かせば良いかが分かりやすく、練習がはかどります。また、楽譜と指運びを照らし合わせた動画を見ると、どの音譜でどの鍵盤を押せば良いのかを理解しやすくなるでしょう。毎日少しずつでも良いので繰り返して練習するのがポイントです。
保育士の資格を生かして一時は働いていたものの、結婚などで退職をした人もいるでしょう。そして、家事や子育てなどが一段落したら、資格や経験を生かしてもう一度復職したいと考えている人もいるのではないでしょうか。
保育士は、基本的に人手不足が現状です。保育士が足りないために保育所が児童を受け入れられないという事実もあります。そのため、保育士資格を持つ人の復職は歓迎されます。
ただし、ブランクがあると、以前働いていた時とやり方が違っていたり、家事との両立ができるかどうか不安だったりという声もあります。結婚前と同じように正社員として働くとなると拘束時間も多くなりますし、家に作業を持ち帰って行うといった融通も利きにくくなりますから、正社員として働く前にパートとして再スタートを切るのをおすすめします。また、求人に「ブランクOK」などの記載があるなど、復職する人へのサポートも充実しています。
厚生労働省でも保育士の復職に対してサポート体制を強化する方針を示していますし、ハローワークなどでは、ブランクのある保育士のためのセミナーを開催していることもあるので、こうした制度を利用するのもおすすめです。