ここがみ : 先ほど「保育業界がもっと良くなればいい」とおっしゃっていましたよね。具体的にはどういうふうになってほしい、などありますか?
いくほ : やっぱり保育士として働きやすい環境を整えてほしいと思いますね。子どもを預ける保育園が見つからないという友達も多いので、やっぱり保育園は増やしてほしいですね。
ここがみ : なるほど。それなら、各党が発表している公約(マニフェスト。国民との約束)を投票前に調べておいてほうが良いですね。今回の公約では、与野党ともに「保育の受け皿」拡充や保育士の処遇改善を提唱していて、あまり大きな違いはないように見えます。重要なのは、それを実行できるのかという点ですね。
いくほ : ・・・。「保育所や放課後児童クラブを増やす」や「保育士の賃上げ」を掲げている党は結構あるんですね。どの党もいいこと言っていますよね。
ここがみ : そうですね。公約を見る限り、与野党ともに「保育の受け皿」拡充や保育士の処遇改善を提唱していて、あまり大きな違いはないように見えます。重要なのは、それを実行できるのかという点ですね。
いくほ : 公約に掲げるからには絶対実現してくれるのではないんですか?
ここがみ : もちろん「国民へ約束」するわけですから、実現させるために活動する責任が、当選した議員・政党にはあります。ただ、政策を実行するにはお金がかかりますので財源が確保できるのかどうかが、政策を実行できるかどうかに大きく影響します。また、政党や議員に決断力や実行力によっても変わるでしょう。
いくほ : こうしてほしいという人がどんなに多くても、財源を確保しないと実行できないんですね。たしかに、子どもがたくさん習い事をしたいと言って親もどんなにさせてあげたくても、お金がないとなかなか通わせられなかったりしますね。家計のやりくりも必要ですし。
ここがみ : そうなんです。保育士の賃上げにしても、一時的な賃上げではなく、ずっと維持していこうとすると、安定した財源が必要です。
いくほ : 保育所って今の時代すごく必要だと思うんです!働いているお母さんも増えていますし。でも、保育士が不足してなかなか増やせないんですよね。子どもたちは日本の宝ですし、保育業界にもっと税金を投入してくれてもいいのではないでしょうか?
ここがみ : 保育サービスがすごく必要とされているというのはその通りだと思います。ただ、無尽蔵にお金があればいいですが、財源には限りがある。また、税金を投入するからには、その必要性や効果を、具体的な根拠をもって示す必要があるのかもしれません。たとえば、保育所へ補助金を増やすとこれだけの経済効果があるとか、保育所に預けて働ける女性がこれだけの数増えれば、これだけ生産力が上がるとか…。
いくほ : 難しそうですね。
ここがみ : そうですね。でも議論するためにはなんらかの根拠は必要になると思います。その点でいえば、「保育」や「教育」は非常に難しい分野ですね。10年20年後に影響があらわれる部分もあると思いますし、何をもって保育・教育が成功しているのか、定義が難しいですからね。
いくほ : 昨今のニュースで、保育士不足が課題だ、というのは多くの人の間で共通認識になったと思います。
ここがみ : そうですね。保育業界に多くの国民・政治家の目が向いたことは喜ばしいことだと思っています。ぜひここから議論が深まっていくことを期待したいですね。
消費税増税が延期されて、社会保障充実のために予定していた2.8兆円のうち1.4兆円が不足するとされています。増税するのか、どこかの予算を削って保育政策に充てるのか、借金をして調達するのか…。それぞれの施策にいくらかかって、その財源をどう確保していこうとしているのか、気になるところです。