お昼寝は子供たちの精神的、体力的成長に多くの効果をもたらすとされています。保育士にとってもお昼寝時間は連絡帳の記入や製作など、事務作業できる貴重な時間です。だからこそ、子供たちにはできるだけスムーズにお昼寝してほしいと考えるものですよね。ここではお昼寝の効果や寝かしつけのポイントを紹介します。
お昼寝は情緒の安定と体力の回復という2点において非常に効果的とされています。寝ている間にメラトニンという情緒を安定させるホルモンが分泌されるので、ストレスが発散されます。そのことで精神的な安定につながるとされているのです。もちろん、午前中に精一杯体を動かしているので、体力を回復させるという働きもあります。お昼寝で体力が回復すれば、午後からも体を使って元気に動き回ることができるので、夜の入眠もスムーズになるでしょう。結果早寝早起きが身につきやすく、生活リズムが整うことにもつながります。また、記憶という面においてもお昼寝は大事な役割を果たします。子供たちは寝ている間に多くのことを記憶として定着させていくので、お昼寝を含め十分な睡眠は子供の脳の成長にも欠かせないものなのです。
寝かしつけの際に重要なのは、まず寝る前の儀式を作ってあげることです。眠りを誘う音楽やオルゴールを流したり、絵本を読んだり、毎日同じことを行います。そうすることで、「今からお昼寝の時間だ」と認識するようになるので、お昼寝が習慣化しやすくなります。何日間か繰り返すと、音楽を流しただけで自然と眠ってくれる子供も出てくるでしょう。また、室温を快適な温度に保ってあげるなど環境を整えることも大事です。大人も同様ですが、暑すぎたり、寒すぎたり、温度がばらつくことは不快感につながり落ち着いて入眠することができません。もし、環境を整え、儀式を行ってもなかなか眠れない子には、胸や背中を優しくトントンしてあげましょう。一定のリズムで心地よさを感じ眠ってくれることもあります。おでこをぐるぐる撫でてあげ安心感を与えてあげるのも良いでしょう。なかには、添い寝をすることで体温を感じ、すぐに寝てくれるというケースもあります。子どもによっても寝かしつけの方法は違ってきますので、それぞれの子に適した方法を見つけてあげられると良いですね。
2歳以下の子どもの場合、優しいボディータッチが効果的といえます。上記のように、胸や背中をトントンと優しくたたいてあげることや背中をさすってあげることで子供の安心感につながり眠りを誘います。足裏マッサージやお腹をさすってあげることで安心してくれるという子供もいるでしょう。耳たぶや、手のひら、頭などを優しくなでるようにマッサージしていくと、その子なりの眠りのポイントがわかることもあります。どうしても、寝かしつける側が焦ってしまうと気持ちが伝わり全然寝てくれないということもあります。そのため、保育士のおおらかな気持ちも重要といえるでしょう。保育園に慣れ、お昼寝が習慣化してくると寝かしつけなしでも、自然に眠れる子も増えていきます。
言葉の理解ができる2歳以上であれば、お話しをしてあげることで眠りに入る子どもも多くなります。楽しすぎる話は逆に興奮させてしまうので、適度に頭を使う話が良いでしょう。また、全然眠れそうにない子には、無理に寝かしつけようとしないのも一つの方法です。教室の外を一緒に散歩してあげたり、少しの間手遊びなどをしてあげたりすることで、気持ちがすっきりし眠くなるというケースもあります。3歳ぐらいになってくると、眠くなくても布団に横になることでいつの間にか寝てしまうということもあります。