小学校からの英語教育が始まり、ますます英語教育の低年齢化が見られるようになってきました。幼児のうちに英語を学ぶメリットとはどのような点にあるのでしょうか?幼稚園で学ぶことができる英語について、実際にどんな授業が行われているのかをご紹介します。
社会のグローバル化が進むにつれて、世界の共通語である英語の役割がますます重要視されています。特に2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、日本政府は実際に使える英語の習得を目標に掲げています。文部科学省によって「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」が発表され、2014年度から逐次実施されています。子どものうちから英語に慣れ親しむことを目標に、2011年4月から小学校高学年での英語の授業が必修となり、中学年でも英語活動が行われるようになりました。中学校では英語で授業を行うなど、実社会で使えるコミュニケーション能力の習得を目指しています。
(参考):http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/12/__icsFiles/afieldfile/2013/12/17/1342458_01_1.pdf
特に2〜5歳程度の幼児期は、日本語と英語を区別することなく音を聞き取る力が大きいため、英語を習得するのに必要な「耳」を養うことができます。基本的に聞き取れない音は発音ができないといいます。幼児期のうちに英語に触れておくと、その後の小学校や中学校での英語の授業に対して苦手意識を持たずに取り組むことができます。さらに小さい子どもは大人やテレビなどの真似をしたがります。これも英語の習得には大きな効果を発揮します。家庭で両親が英語で話しかけたり、DVDで英語のアニメを見たりして真似をすれば、耳と言葉の両方から吸収できますし、歌ったり踊ったり体を使うとより覚えたことを忘れにくい効果があります。
幼児の英語教育の基本は「英語に親しむ」ことです。学校に入ると単語や文法、読解などの勉強が中心になりますが、小さい頃には英語への苦手意識をなくし楽しく学ぶことが大切です。挨拶や自己紹介を英語でできるようになる、身近なものを英単語で言えるようになるなど、生活に根付いたことを焦点とするので関心を持って学ぶことができます。歌やダンスでは英語のリズムに親しみ、絵本の読み聞かせやゲームなども通じて子ども達は英語を好きになっていきます。先生が英語で出した指示を子どもが理解して行動する姿を見て、早い段階で英語を学ばせて良かったと思う保護者も多いです。
幼児期の英会話の内容は日常生活の身近なことを対象にします。はじめは身の回りの物を指差して「bag(カバン)」「chopsticks(箸)」「garbage can(ゴミ箱)」など、使える単語を増やしていきます。朝は「Good morning!(おはよう)」「How are you?(元気ですか?)」、帰りは「Good bye(さようなら)」「See you tomorrow(また明日)」などの挨拶を学び、先生の「Sit down(座って)」「Listen(聞いて)」などの指示、「Well done!(よくできたね!)」「Good job!」などの褒め言葉を聞き取る力が養われます。また「I brushed my teeth.(歯を磨いたよ)」や「I need to go to the bathroom.(トイレに行きたい)」などの表現が身に付くと、家庭でも使うことができます。
英語を使用する環境で保育をする幼稚園や保育園のことを総称して「インターナショナル・プリスクール」といいます。インターナショナル・スクールの付属園であったり独立した組織が運営しているものだったりと、その形態はさまざまです。プリスクールに通うメリットは、幼稚園にいる時間は英語環境のなかで過ごすことができるという点です。学校で英語を習い始めてからにもいえることですが、実際に英会話をする環境がないと英語はなかなか身に付けることができません。感受性の豊かな幼時期に英語をシャワーのように浴びることで、抵抗なく吸収することができます。また専任の外国人講師が在籍しているため、生の英語に触れることができます。子どもにとって無理のない充実したカリキュラムが組まれており、歌やダンス、ゲームを取り入れた楽しい授業が魅力的です。
今後、英語教育を行う幼稚園はますます増えると予想されます。保育士や幼稚園教諭の方やこれから目指す方は、英語を身に付けておけば就職の際に有利になる可能性は大きいでしょう。
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