英語教育の普及に伴って、英語教師や講師は今やさまざまな場面で活躍の場が用意されています。そのなかでも、児童英語教師という職業があるのをご存じですか?一般の英会話講師とはどう違うのでしょう?児童英語教師の活躍できる場やその職業に就くための方法などをご紹介します。
グローバル化の影響で小学校の高学年から英語が必修科目となりましたが、それに伴い幼児や小学校低学年のうちから英語を学ばせようとする流れがあります。特に2〜5歳くらいの幼児は日本語と英語の音を聞き取る力が大きいので、英語力を身につけるには適している時期だといわれています。また好奇心旺盛で人の真似をすることも多く、ぐんぐんと物事を吸収していく時期でもあります。そんな就学前の幼児から小学生までの児童に英語を教える教師のことを児童英語教師と呼びます。英語力はもちろんのこと、英語教育に関する専門知識や技術が必要になります。特に、小さい子どもが対象ですので、英語に対する興味や関心を引き出すような工夫が求められ、歌や踊り、ゲーム、絵本などを用いた授業を行います。なかでも歌や踊りで体を使いながら覚えたことは忘れにくく、子どもの英語教育の場で積極的に取り入れられています。児童英語教師には英語力だけではなく、子どもが好きであることはもちろん、子どもの繊細な心をケアできる児童心理学の知識があることが望ましいとされています。
児童英語教師の活躍の場は、小学校で英語教師として働くほかにも、民間の英会話スクールの教師や自宅教室、英会話サークルの講師などさまざまです。大手英語教室フランチャイズ校のオーナーという選択肢もあります。小学校での英語教育が必修になったのにも関わらず、現状では担任教師が英語の授業を行ったり、外部から講師を招いたりして対応していることが多く、英語の教師不足が否めない状況です。したがって、今後ますます小学校での英語指導者としての活躍の場は広がりそうです。しかし一方で、児童英語教師は教員免許が必要な「教員」ではないので、立場上教員との差があり待遇面も今後の課題となっています。英語の授業が必須になったことで、放課後に子どもを英会話のスクールに通わせる保護者も増えています。英会話教室で児童英語教師として働くメリットは、正社員、契約社員に関わらず収入が安定していることです。福利厚生がしっかり整っているところもあり、安定して働くことができます。自分のペースでカリキュラムを組み、生徒数も対応できる範囲に調整できるので、子育て中の主婦の方などにとっては仕事と家庭を両立していける働き方です。
児童英語教師になるためには、さまざまな方法があります。まずは大学や短大の外国語学部や教育学部、もしくは専門学校の児童英語教師コースなどで学ぶことです。児童英語教師になるためには教員免許は必要ありませんが、英語力や指導方法を学ぶ意味でもこれらの学校で学んだ経験を活かせることができます。また在学中に海外留学や海外研修などを体験し、現地の教育現場を訪問することもできます。次に、民間の英語学校や団体の養成コースを受講することです。コース内容や受講期間は数週間のものもあれば1〜2年までのものとさまざまで、自分に合わせて選ぶことができます。受講終了後には系列教室での採用など、就職の斡旋に強みを持つのが特徴です。最後に、通信講座で認定資格を取得する方法です。小学校英語指導者資格を目指す人と採用したい団体との橋渡しをする民間団体「J-SHINE」が設立され、小学校英語指導者養成講座の修了者には認定証を発行しています。この認定証は指導者として働くために必須ではありませんが、一定のレベルに達した指導者の証になるため、多くの学校や団体で優先的に採用さるというメリットがあります。
海外生活経験や英語指導経験がある、子どもが好きで英語力にも自信があるという方は、直接学校や団体に問い合わせて仕事を得ているケースもあります。
児童英語教師は自分の得意分野を生かして活躍できる注目のお仕事です。