子ども達が保育園で楽しく過ごすためには、保育士の創意工夫が大きなポイントになります。保育士資格試験の実技試験のひとつに「造形表現に関する技術」があることからも、保育現場では自由遊びが大切になっているのではないでしょうか。ここでは、保育現場における自由遊びの大切さや保育士の役割についてご紹介します。
保育園では0歳~就学前までの乳幼児が受け入れ対象になるため、それぞれの成長や発達段階に合わせて保育を行うことがポイントになります。そのため、保育園の設備を整えるだけではなく、子ども達に対する保育士の関わり方も重要になります。子どもはいろいろな可能性を秘めています。日常の些細なことをきっかけに、大きく才能を伸ばしていくことも期待できます。保育園で自由遊びをするときは、自分が遊びを楽しむだけでなく、ほかの子ども達と触れあえる大切な場にもなります。遊びに興じるあまり我を通し過ぎて友達と喧嘩になることもあるでしょうし、遊びに使う道具で体や服などを汚すことも避けられないでしょう。しかし子ども達にとっては、自分が実際に体験して小さな失敗を繰り返すことで、成功体験につながるだけでなく、社会性を学ぶ機会にもなるのです。
子ども達が保育園で楽しい時間を過ごすためには、周囲の環境が大変重要です。そのなかでも、保育士による環境づくりは大きなポイントになります。保育園によっては園庭がないところもあり、そのような場合は室内遊びでエネルギーを発散させるための工夫が求められます。室内遊びは天候に左右されないため、急遽予定を変更しなくても良いメリットがあります。また、子どもをより身近に感じられるため、動きにも注目しやすいのではないでしょうか。遊びやすい環境づくりをするためには、子どもが興味を示す対象を複数用意しておくことが大切です。工作したりままごとをしたり、子どもの興味の対象は個々によっても異なります。その日の気分によって変わってくることもあるでしょう。保育士は、子どもに毎日の登園が楽しいと感じさせるためにも、子どもが興味や関心を持つ「遊びの場」を設定する工夫が必要です。そのためには、遊びに必要な材料を用意するなど必要に応じてサポートできるようにしましょう。
自由遊びをするときは一定のルールを決めておき、子どもが理解できるように話しておきましょう。また、子どもの興味を引くために、一気に盛り上がってしまうと収拾がつかなくなります。子どもが体験してみたい気持ちを高めるのではなく、ワンクッション置くように心掛けることも大切です。怪我の危険性についても十分考慮した上で、万全の体制で始めることが重要な課題といえます。室内でできる自由遊びを例にとると、次のようなものがあります。
身近なものを使って体を動かす自由遊びがあります。たとえば、布団や敷物などを活用すると変身グッズにできたり、室内の空間を利用して秘密基地を作ったりなど、いろいろな遊びにアレンジができます。結んだ布やロープで、電車ごっこなどもできるでしょう。
また、プリンやヨーグルト、牛乳パックなどの空き容器を材料にした「ものづくり」を楽しませても良いでしょう。使用済みのものを材料として有効活用できる点にも、大きなメリットがあります。先につくり方のヒントを子ども達に提示しておくと、子どもの自由な発想による展開が期待できます。リボンやストローなど、いろいろな組み合わせができるように材料を吟味することもポイントです。それらのものに穴を開けておくなどの下準備も、事前に行っておくと良いでしょう。子どもの自由な発想を伸ばすためには、絵の具を使った遊びもおすすめです。指や筆、ニンジンなどの根野菜スタンプなど、いろいろな遊び方があります。そのときは、机や床、洋服などを汚さないように、子ども達にルールとして説明しておくことも大切です。
自由遊びのためにはいろいろな準備が必要にはなりますが、子ども達の笑顔を思い浮かべながらの準備は保育士の楽しみのひとつでしょうし、自由遊びをきっかけに子どもの成長を感じられるのも、保育士にとっては喜びの瞬間になるのではないでしょうか。