子育てをしている家庭では、毎日が子どもを中心に回っているのではないでしょうか。怪我や病気など健康上の心配事や友達とのトラブルなどにハラハラする一方、ちょっとした変化で子どもの成長を実感することもあり、新たな発見が多いものです。
そんな日常生活で一緒に過ごす時間が長い保育士は、子どもにとっても親にとっても関わりの大きな、身近なパートナーといえるでしょう。一人ひとりの胸に残るような場面もありそうです。そこで今回は、どんなときに保育士に対して感謝の気持ちを感じたのか、アンケートで具体的に教えてもらいました。
アンケートの結果、自分の子どもをよくみてくれているという回答に次いで親自身が励まされたという回答が多く、さらに自分が子どもだったころの保育士の対応に感謝しているといった回答が続きました。
・保育士が子どもの様子がいつもと違うことに、いち早く気づいてくれたために、病院に早く連れて行くことができ無事に盲腸の手術ができた。(50代/女性/正社員)
・子どもの良いところを見つけ、褒めて保育してくれたことに感謝しています。(50代/女性/専業主婦(主夫))
・下の子が産まれたばかりで毎日が精一杯だった私に、「お気持ちは分かります」と言ってくださったベテラン保育士さんを今でも忘れられません。(40代/女性/個人事業主)
・妻の愚痴を良く聞いてもらい、寂しさを紛らわせてくれたので感謝してる。(40代/男性/正社員)
・自分は、母親が育児のストレスによってヒステリックになり、虐待されるような環境でした。しかし、自分の母親に保母さんが注意や指導してくれていたようで、とても感謝しています。(30代/女性/個人事業主)
・自分が子どもの時、友達とケンカして泣きそうでも悔しくて泣き顔を見せたくないと我慢していたら、保育士さんがエプロンで隠してくれました。とても安心したのを覚えています。(30代/女性/公務員)
アンケートの結果、子どもの長所をみつけたり、普段の状態をしっかり観察したりしていることに感謝する声が特に多くみられました。保育中のちょっとした変化や素敵な行動を見逃さず伝えてもらえるのは、親としてありがたいものですよね。次いで多かったのが、保育士に話を聞いてもらうことで親の不安が和らぐというものです。親自身も心配事を抱えているなかで、保育の専門家が身近にいてくれるのは心強いことでしょう。また、親自身が子どもだったころの思い出もみられました。幼少期の心温まる体験は、時間がたっても胸の内に長く留まっているものなのですね。
最も多かったのは、保育士が子どもをまるごと受け止め、観察してくれていることに対する感謝でした。一人ひとりのペースを大切にして、よいところを尊重する保育は、家庭では発見できなかった子どもの新たな長所をみつけることにもつながりそうです。核家族化が進み、親自身が孤独な育児をしている状況で、相談相手が近くに見つからず、悩みを抱える親も少なくありません。そんなときに、身近な保育士に育児の悩みを相談したり、励ましを受けたりすることができれば、育児に自信を持って取り組んでいけそうですね。幼少時の保育士との思い出が、長く心の中に残っていることからも、身近な養育者が子どもにとって大きな存在であることがわかります。