看護師は、主に医師の指示に従って採血、点滴、注射などの医療補助をしたり、患者の入院生活をサポートしたりする仕事を行っています。また、患者の体調管理をして、医師に報告するのも重要な看護師の業務です。医師と共に病気や怪我から患者を救う仕事をする看護師は、人の役に立ち、誇りを持って働ける職業だと言えます。そこで看護師になるためにはどのようにすれば良いのかを解説します。
看護師の仕事は患者の命に関わることが多々あるので、専門的知識がなければ務まりません。そのため、看護師の国家試験に合格しなければこの仕事に従事できないことになっています。看護師の国家試験の受験者数も年々増加し、平成27年には6万人を超えました。合格率は年度によって相違がありますが、概ね90%前後を推移しています。出題科目も多く、試験範囲も広いので、簡単な試験ではありませんが、しっかり勉強すれば合格できます。
看護師の国家資格を受験するためには一定の条件を満たさなければなりません。具体的には文部科学大臣の指定した学校で3年以上、看護師になるために必要な学科を修めることなどです。そのため、一定の期間、学校で看護の専門教育を受けてから受験するという形になります。
※参考:HP医療系国家試験の情報「看護師国家試験合格率推移」
http://goodfriendkf.xsrv.jp/iryou/kangoshig/
看護師を目指す人は国家資格を受験するため、高校卒業後に看護学校に行くことになります。看護学校には看護科が設置されている大学や短期大学、専門学校がありますが、通う期間は大学の場合は4年、短期大学や専門学校の場合は3年です。
看護学校を選ぶ際には、学歴や給与面を重視するのであれば大学に進学すると良いでしょう。看護師の仕事自体は直接学歴が関係することはありませんが、より専門的な看護ができると認められた認定看護師になれる可能性が高くなります。また、大卒の看護師の方が専門学校を卒業した看護師よりも若干給料の額が多いからです。
一方、専門学校を選ぶ利点として、1年早く現場に出られることです。看護師の仕事は現場でのスキルがものをいうので、少しでも早く看護師として働き始めた方が成長できます。また、大学に比べて学費が安いので、経済的に余裕がない家庭の人でも通うことが可能です。
どちらの学校を出た場合でも国家試験の受験資格を得られることに変わりありません。そのため、自分の状況に適した学校を選ぶと良いでしょう。
看護師として働き始めた場合、少しでも早く一人前になりたいと思うでしょう。そのためには看護師の仕事をするのにふさわしい人間にならなければなりません。
そこで看護師の仕事をするにおいて必要なものとして挙げられるのが体力と精神力です。病院に入院している患者は24時間体制で見続けなければならないので、日勤だけでなく夜勤をこなす必要があります。また、生命の危険に陥っている患者に対応したり、治療の甲斐もなく、悲しい結末をむかえてしまったりした場合でも毅然としていなければなりません。
それから、患者の治療は心のケアが重要です。温かい言葉をかけてあげると元気になって免疫力が高まり、それによって自然治癒することも少なくないからです。そのため、患者を思いやる優しさも必要になってきます。
患者が病院で最期を迎えた場合、悲しくても受け止めなければならなかったり、日勤だけでなく夜勤もこなさなければならなかったりと看護師の仕事は辛くて大変な一面があるのも事実です。ただ、それでも多くの看護師はこの仕事にやりがいを持っています。治療している患者から感謝されるとこれまで自分にしてきたことが認められたと感じるからです。
患者からの「ありがとう」は多くの看護師にとって最高のひとときです。
また、看護師として働き始めたころ、慣れないことがたくさんあり、思うようにいかないことが多いです。しかし、頑張って働き続けてこれまでできなかったことが自然にできるようになったり、先輩や同僚から仕事ぶりを評価されたりした場合には、成長できたと思えてやりがいを感じます。