近年、保育士の働き方も多様化しており、自分の希望や事情に合わせ働くことが可能になっています。現に、「全国の保育所実態調査報告書 」によると、公立保育園に勤める保育士の非正規社員の割合は半数を超えています。ここでは4種類の保育士の働き方についてまとめてみました。現在の自分の立場、将来的なキャリアアップへの考え方などを踏まえ自分にあう働き方を選んでみてください。
引用:「全国の保育所実態調査報告書 2011」18ページ
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/s.1_1.pdf
正社員で働く場合、決められた業務時間をフルタイムで勤務することになります。時には残業が発生することもあり、場合によっては有給を含め、急な休みがとりづらいということもあります。その代わり、毎月一定の給料をいただくことができ、非正規社員より高額な場合がほとんどです。キャリアアップしていくことで昇給可能な職場もあります。もちろん、社会保険など各種保険は完備されていますし、交通費もほとんどの場合で支給されます。ボーナス支給もあり、雇用期間に定めがないので、保育士として安定して働きたいという人にとっては魅力的といえるでしょう。さらに、安定して雇用されている分、責任のある仕事や、年齢を重ねることでマネジメント業務を任される可能性も十分にあります。
契約社員の場合は、雇用条件についてお互いにルールを決めて勤務することができます。そのため勤務時間は、その際に定められた時間勤務することになります。残業についても契約時の取り決めに寄ることころが大きいでしょう。給料は基本的に月決めで、経験があることで正社員と同等の給料をいただけることもあります。有給や急な休みは、正社員に比べると取りやすい場合が多く、休日出勤も比較的少ないです。交通費は支給されることが多いですが、ボーナスはでないことがほとんどで、退職金も出ません。社会保険など各種保険の完備がなされている場合が大半です。雇用期間は一般的に一年間で、その都度更新されます。そのため、役職に就くということはほとんどなく、正社員に比べると責任の軽い仕事を任されることが多いです。雇用期間があるので、もし職場が合わないというようなことがあれば、期間満了で辞めることができます。一定期間ごとに自分のキャリアについて考え直したい人や、さまざまな仕事にチャレンジしてみたいという人にとってはメリットのある働き方といえます。
パート、アルバイト保育士の場合、自分自身のプライベートな状況に合わせ、勤務時間や勤務日数を決めることができます。育児中や介護中、扶養内勤務の方など自分なりの、勤務時間で働くことが可能です。求人の中には、未経験者でも積極的に採用しようというものもあり、求職者にとってはハードルが低い分応募しやすいといえます。残業は、自分の状況次第で受けるかどうかは判断できます。基本的に有給が認められていることもありますが、なかなか取りづらいという面もあります。給料は、正社員に比べると低額なことが多く、ボーナスもほぼ期待できないでしょう。社会保険は勤務時間、日数によっても変わってきますが、完備されないというケースもあります。管理職などへキャリアアップすることは難しく、責任の軽い職務につくことがほとんどです。時間を自分でコントロールしたい人にとってはおすすめの働き方といえるでしょう。
派遣社員の場合は、保育士が派遣会社と契約を結び保育園へ派遣される形になります。あらかじめ、自分の希望勤務時間や、勤務日数などを派遣会社に伝え、その条件に近い求人を探してもらうという方法です。そのため、勤務時間や残業の有無は自分で決めることができます。給料は時給で、パート、アルバイトよりは高額な場合が多いです。ボーナスは出ないことがほとんどで、社会保険は条件に応じて、派遣会社の保険に入ることになります。雇用期間は、派遣期間の間で更新されることもあります。業務は責任のある仕事ではなく補佐的な仕事が多いです。派遣会社が間に入る雇用体系のため、相談や苦情があった場合、直接申し出なくていいという面もあります。
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