平成21年4月1日から、幼稚園教員免許の更新制度が導入されました。教員免許は幼稚園教諭として働く上で、なくてはならないものです。万が一免許の更新がなされずに失効してしまうと、最悪の場合仕事を失うことになりかねません。
スムーズな更新手続きを行うためにも、更新制度の概要と更新の流れを確認しておきましょう。
幼稚園教員免許更新制度が導入された目的は、定期的に教育に関する最新の知識や技能を共有し、教員の資質と能力の保持を図ることです。最新の知識と技能を得ることで教員自身も自信を持って職務にあたることができますし、教員の社会的な信頼を維持することにもつながります。決して不適格な教員を排除するための制度ではないということを覚えておきましょう。免許更新が必要となるのは現職の教員のほかにも、教育委員会や学校法人が作成する臨時任用および非常勤教員リストに登載されている場合や、過去に教員として勤務した経験がある場合も免許更新の対象となります。更新講習講座は、大学や文部科学大臣指定の専修学校、各地の教育委員会が開設しています。免許の更新に必要な講習時間は30時間以上と定められていますが、基本的に長期休業期間中や土日など、仕事をしながらでも受講がしやすいように配慮がされた日程となっています。また、通信やインターネット、放送での講習も認められていますので、自身の予定に合わせて無理なく受講を続けることができます。また、休職中や産休・育休中、その他災害などの事情がある場合には、更新手続きの延期が認められています。
まずは、幼稚園教員免許の有効期限を確認しましょう。更新制度が導入された平成21年4月1日以降に発行された免許状には、10年間の有効期間が与えられています。平成21年3月31日以前に発行された免許状は、生年月日によって更新講習の修了確認期限が設定されています。更新講習を受講するタイミングは、有効期間および修了確認期限の2年2ヶ月前から2ヶ月前までの2年間です。この間に各自で講習を開設している大学等に受講の申込みを行い、講習課程を修了しましょう。講習課程を修了すると修了証明書が発行されますので、免許管理者となる勤務先の都道府県教育委員会に修了証明書を提出し、有効期間の更新または更新講習修了確認の申請を行います。無事に講習修了の確認が取れると、有効期間更新証明書または更新講習修了確認証明書が発行され、次回の有効期間まで引き続き教員免許が有効となります。ただし、免許更新の時期に幼稚園教諭の職を離れている場合には、講習の修了証明書の提出先は住所地の都道府県教育委員会になりますので注意が必要です。
注意しておきたい点は、更新講習を修了しただけで自動的に免許の更新がなされるわけではないということです。必ず講習が修了したことを確認するよう、免許管理者への申請を行わなければなりません。有効期間および修了確認期限までに有効期間の更新および更新講習の修了確認の申請をされないと、教員免許は失効してしまいます。特に現職教員の場合はその時点で仕事を失うことになってしまいますので、更新の申請は期間内に忘れずに行い、有効期間更新証明書または更新講習修了確認証明書を確実に受け取ることが重要です。しかし、万が一失効してしまった場合の対処方法も確認しておきましょう。免許が失効してしまったときに最も懸念されるのが、また教職課程から学び直さなければならないのか、ということではないでしょうか。しかし教員免許が失効してしまった場合でも、大学等で取得した教職課程の単位が無効になるわけではありません。更新講習を修了し、免許管理者へ申請をすることで再度幼稚園教員免許が授与されます。
教員免許更新制度は、教育に関する知識をアップデートし、教育の質を上げるためにも大切な制度です。スキルアップの場として有効に活用していきましょう。