幼稚園や保育園は、子どもが初めて体験する集団生活の場といえます。日中の多くの時間過ごし、成長の上でも重要な位置を占めるこの場において、クラスをまとめる担任の存在は、子どもにとっても保護者にとっても大きいものと考えられます。そこで今回は、幼稚園・保育園に通う子どもをもつ保護者の方を対象に、担任の先生に期待することについて聞きました。
アンケートの結果、一番多く見られたのは先生の人間性への期待、次いですべての子どもへの平等な接し方、安全面での配慮、子どもの個性を大切にしてほしいという願いという結果になりました。
・最近の若いこの言葉でなく、ちゃんとした日本語をはっきりと話してほしいです。(40代/女性/専業主婦)
・一人一人とちゃんと向き合っているか。先生になつく子・可愛い子・愛想のいい子・元気な子ばかり贔屓しないで、無口な子や大人しい子にもちゃんと目を向けてほしい。(30代/男性/会社員)
・自分の担任の先生に求めるものとして最も大きいものは、安全面の配慮です(30代/男性/会社員)
・「みんな違ってみんないい」を子供たちに教えてほしい。 みんな同じ型にはめてしまうのは窮屈なことだと感じました。(40代/女性/パートアルバイト)
・なあなあではなくて、叱るときはビシっと叱れる先生が良いと思います。(40代/女性/無職)
・いじめを見つけたらすぐに対処してくれることで、こういったことをしてくれる先生でなければいけない。(30代/男性/会社員)
きちんとした言葉づかいや、優しさなど、先生の人間性について挙げる回答が最も多く挙がりました。また、クラスの人数が多ければ、どうしても手のかかる子や目立つ子へ目を向けがちになるでしょうが、どんな状況でもすべての子どもに平等に見てほしいという回答も多数見受けられました。先生の見えていない部分での子どもの心情や体調などを心配する保護者の心情が感じられますね。また先生個人や園の価値観を押しつけず、子どもそれぞれのあり方を大切にしてほしいという声も多く、個性を重んじる教育への期待も高くなっています。一方、園の生活における安全面の配慮を求める声からは「子どもが元気でいてくれれば」という保護者の気持ちがうかがえます。
担任の先生には「良い大人」のモデルとして子どもに接してほしいと願う保護者の思いがうかがえるアンケート結果となりました。また、幼少期の子どもは、園生活での不満や不安を言葉にして伝えづらいものです。そんな子どもを心配する親の切実な願いが、「平等に接してほしい」という回答や「安全面の確保」を求める声につながっていると考えられます。園児の数も多く、雑務も多い先生方にとっては、保護者から求められることの多さにプレッシャーを感じることもあるでしょう。しかし、子どもたちの成長過程における幼稚園・保育園への期待が大きいからこそ挙がってくる意見と受け止めることができるかもしれませんね。